前もって予定を立て、ゆとりをもって葬儀やお別れの会に出席する人はいません。たいていは急な知らせに驚き、とまどいながらも時間を作り、緊張しつつ足を運んできます。大事な用事があった人もいるかもしれません。ですが、お別れの機会を次に回すことはできませんから、無理してでもやってきます。
葬儀の場に慣れている人はめったにいませんから、不安を抱えながら、失礼のないように、そしてなるべく目立たないように気をつけています。滞りなくすませ、見送ることができればほっとし、肩の荷がおりるとさらに悲しみが押し寄せてくるかもしれませんが、その後も立ち止まらず進んでいかなければならないことを葬儀の場は教えてくれます。
つらくて、しかも正直にいえば面倒なことでもそれをやり遂げることで、死を意識することの大切さ、それを受け入れ、生きていかなければならないことを考えさせてくれます。
「お別れの会」と言いますと、まず家族などの近親者で密葬や家族葬などの葬儀から火葬、納骨までを行い、また日を改めて後日亡くなった故人と、プライベートや仕事など様々な親交のあった方などを招くと言うスタイルで、婚礼に於ける披露宴のようなセレモニーと言って、良いのではないかと考えられます。
そんな「お別れの会」の、王道パターンと言いますと斎場を借り、一般的な葬儀の告別式のスタイルに近い、弔辞のスピーチなどを交え祭壇に参列者の一人一人が献花するというような、芸能人などが亡くなった際に、テレビのワイドショーなどで報道されよく見るパターンのスタイルや、ホテルの宴会場などを借り、宗教儀礼の無いビュッフェ形式の、会食パーティーのようなパターンのスタイルなどが挙げられますが、この二つの王道パターンを合わせたスタイルの、お別れの会と言うパターンもあります。